1968年製の手巻き式『19セイコー』です。
『19セイコー』は19型(直径約42.8mm)のムーブメントを搭載した懐中時計で、
昭和4年(1929年)頃にウォルサムに替わる鉄道時計として
当時の鉄道省向けに生産されたのが始まりです。
機構の変更を行いながら、昭和46年11月(1971年)まで製造が続けられたロングセラーモデルです。
昭和30年(1955年)に、『セコンドセッティング(秒針規正装置)』仕様追加
昭和34年(1959年)に、文字盤の『SEIKOSHA』表記を『SEIKO』に変更
昭和35年(1960年)に、戦後の19型15石ムーブメント発売
昭和38年(1963年)に、吊カンの形が『楕円』から『丸』に変更
昭和46年(1971年)に、19型ムーブメント生産中止となりました。
こちらのモデルは吊カンが丸型、黒針の昭和43年製。
型式『91-0020』の名称が与えられ、
文字盤6時側にJAPAN 9119-0020Tの印字があります。
針は黒針で状態良く、くすみ・はがれはありません。
ムーブメントにはシンプルな線状の仕上げ。
針は、以前のモデルの青焼きから黒塗りに変更され、
現代的なデザインに切り替わった時期の製品といえます。
裏蓋には『昭43 531 門鉄』の刻印入り。
スモールセコンド仕様で、リューズはSマーク入り。
『セコンドセッティング機構』付きの為、
スモールセコンド上は『SECOND SETTING DIAFLEX』表記されています。
もちろんセコンドセッティング機能は効いていて、リューズを引くと60秒の位置で秒針が止まります。
文字盤はホワイトで数字フォントが大きいため、視認性に優れています。
リューズは操作性の良いサイズで、時刻合わせ、手巻き操作をスムーズに行えます。
こちらは当店でオーバーホール済み。
風防は磨いていますが、磨きで取り切れない小傷が残っています。
ケース、リューズにメッキのはがれ、ケースに打痕が見られます。
元々非防水モデルですので、ご使用の際は水・汗・雨にご注意ください。